環境省平成17年度主体間連携モデル事業委託業務(省エネ住宅1)

長寿命住宅小野寺家100年の大空間


執筆者紹介(掲載順)

宮澤智士 MIYAZAWA Satoshi

長岡造形大学名誉教授
・建築史家。美しく快適な建築が時代を越えて長持ちし、省エネ建築になることを主張する。小野寺家は大きな住空間に端正な美しさがある。その価値を発見し再評価する。
・1937年3月生。長野県出身。東京大学工学博士。一級建築士。建築修復学会代表。大阪市立大学、奈良国立文化財研究所を経て文化庁建造物課長、長岡造形大学教授、東北大学工学部講師などを勤めた。
・マルコポーロ賞(イタリア山岳部の民家調査報告書)、日本建築学会賞(普請帳研究会10年間の活動、『普請研究』40冊刊行)、新潟出版文化賞(西永寺の建築史)受賞。主要著書『古民家復権』(共著)、『白川郷合掌造Q&A』、その他多数。

安井妙子 YASUI Taeko

有限会社安井設計工房副社長
・建築家。古民家を長寿命住宅として後世に伝えるためには、高断熱高気密・計画換気等によって建築性能を高め、そこで快適に暮らせるようにすることが、最良との信念のもとに、設計者の立場から小野寺家の設計・監理にとりくみ、そして建築家の役割についても話す。古民家の省エネ、保存をライフワークとして活動している。
・1948年9月生。宮城県出身。宮城工業高等専門学校建築学科卒。一級建築士。ハウスメーカーを経て有限会社安井設計工房設立。宮城学院女子大学非常勤講師・岩手県立大学盛岡短期大学部非常勤講師。
・日本建築学会東北支部第22回東北建築賞業績賞、第4回環境・省エネルギー機構理事長賞。主要著書『古民家復権』

佐々木日奈子 SASAKI Kanako

株式会社阿部和工務店
・古民家の本格的な修理改修工事に従事した最初の家。その施工について具体的に記す。
・1979年1月生。宮城県出身。宮城工業高等専門学校建築学科卒・豊橋技術科学大学工学部建築工学課程卒。株式会社阿部和工務店。二級建築士。2004年から現職。

長谷川兼一 HASEGAWA Ken'ichi

秋田県立大学システム科学技術学部建築環境システム学科助教授
・専門分野は建築環境工学で、建築の快適性、省エネルギー建築の環境評価、環境設計のためのデータベース構築、防露設計に情熱をかたむける。小野寺家の屋内気候に関して温度・湿度・風速・グローブ温度などを計測し、そのデータを分析する。シェルター機能は良好であると評価する。
・1967年6月生。大阪府出身。東北大学博士(工学)。信州大学工学部助手を経て現在にいたる。
・主要著書『(住宅の環境設計データブック(分担)』『コンパクト建築設計資料集成(分担)

小野寺英一・美恵子 ONODERA Eiichi, Mieko

居住者
家の住み心地とそれまでにいたる経緯等を明解な文章でていねいに書いて下さった。この家は、建築してからちょうど百年目にあたる2004年に、寒くなく暑くない家に変わり、生き活きとした内部の大空間が蘇った。このことを十八代当主尚一さんは家族とともに感じておられるであろう。造りも頑丈なこの家はさらに長く長く生き続けるであろう。

[宮澤智士 記]



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